レーザー学会は第12回レーザー学会産業賞に9社が受賞したと発表した。この賞はレーザーに関する製品・技術の開発,実用化,普及などにおいて国内のレーザー関連産業の発展に貢献する優秀なものに対して表彰するもので,優秀賞,奨励賞,貢献賞が選出される。
今回優秀賞には日亜化学工業,島津製作所,浜松ホトニクスが,奨励賞にはスペクトラ・クエスト・ラボ,多田電機/三菱電機,ウシオ電機が,貢献賞にはオプトロニクス社,京セラ,レーザーラインがそれぞれ受賞した。なお,受賞対象と評価のポイントは下記の通り。
【優秀賞】
・日亜化学工業『高出力マルチチップレーザーダイオードパッケージOctoLas®』
市場ニーズにマッチングした製品であり,プロジェクターでの採用実績が高い。
・島津製作所『ファイバ結合型高輝度青色ダイレクトダイオードレーザ BLUE IMPACTTM 』
100Wの青色レーザーでパワー密度も最高クラスを達成している。自動車分野における銅加工に期待が大きい。
・浜松ホトニクス『高出力半導体レーザー製品ラインナップ』
加工用や励起用として幅広く事業を展開しており,市場への実績も高い。
【奨励賞】
・スペクトラ・クエスト・ラボ『波長可変半導体レーザー(λ-Master)』
独自技術を盛り込んだ大学発の製品として,今後の海外展開に期待できる。
・多田電機/三菱電機『次世代型レーザビーム溶接機(LBW)(スパッタ抑制技術搭載モデル)』
集光光学系の工夫により,加工速度と品質の両立が図られており,スパッタレス加工のニーズに対応する。
・ウシオ電機『レーザープロジェクター用赤色高出力レーザーダイオード(HL63520HD)』
CANタイプのLDでは最高出力を持ち,今後は車載ヘッドアップディスプレーやAR/VR向けヘッドマウントディスプレーへの展開が期待される。
【貢献賞】
・オプトロニクス社『光産業技術専門メディアとしての学術界・産業界発展への貢献』
月刊オプトロニクス、WEBサイト、展示会、セミナーの各事業の相乗効果により、産業界・学術界に対する貢献度が高い。
・京セラ『光半導体素子用パッケージの市場投入とセラミック材料技術の応用展開による光通信技術及び光通信産業への貢献』
5Gやデータセンターなどにおいて光通信デバイスビジネスをパッケージ面から支えてきた実績が大きい。
・レーザーライン『容易なビーム操作性・成形性を有する半導体レーザー加工機の量産適用と,その加工工法普及への貢献』
ドイツ発ダイレクトダイオードレーザーと加工プロセスにおいて,特に自動車製造分野での貢献が大きい。