日本電気硝子は,直径0.5mmの微小ボールレンズに多層反射防止膜を全面コーティングすることに成功し,その量産技術を確立した(ニュースリリース)。
5G(次世代通信規格)では,データ通信のさらなる高速化・大容量化が進むとともに,通信デバイスの小型化,高性能化が求められている。5Gにおいて基地局までの情報通信の有力な技術の一つとして,光インターコネクト技術が注目を集めている。
この光インターコネクト技術を用いたデバイスでは,効率良く集光するために高透過率かつ低反射のレンズが用いられ,また,デバイスとともにレンズの小型化も進んでいる。レンズは組立て時に光軸方向の調整が必要だが,レンズおよびデバイスの小型化により,その作業性の低下が課題となるため,設置方向に制約のない小径で高精度なボールレンズの需要が高まってきている。
今回,同社は独自の成膜技術により直径0.5mmという微小な高精度ボールレンズに,多層反射防止膜を全面均一にコーティングすることに成功し,量産技術を確立した。
これにより,当社従来品(直径0.75mm)よりも小型で高透過かつ低反射のボールレンズを市場に投入し,5G用光通信デバイスの小型化や伝送ロスの低減,集光効率の向上に貢献できるという。さらに,全面に均一な多層反射防止膜が付与されているため,レンズの設置方向の制約がなくなり,組立て工程の効率向上にも寄与するとしている。
またこれらにより高速化・大容量化が求められる5Gにおける光通信デバイスの小型化・高性能化に貢献し,今後は,さらなる小径化(より微小径のボールレンズへのコーティング)を目指すとしている。