オーストリアamsは,新たなアクティブステレオビジョン(ASV)技術製品を発表した(製品ページ)。
スマートフォンメーカーは消費者向けの高級製品での顔認識の利用を開拓したが,顔認識に不可欠な深度マップは,産業市場や自動車市場においても多くの用途に対応する可能性を秘めている。
同社が開発した新たなシンプルかつ低価格な深度マップの生成方法は,これまでよりも幅広い製品において3Dセンシングアプリケーションを導入する可能性を開くとしている。
同社はASV技術を通じて正確な3D深度マップを生成するために,小型のレーザプロジェクターの照射を利用して対象物を検知する2台の赤外線カメラを使用した,新たなハードウェアとソフトウェアのソリューションを開発。
このシステムには同社のBelago製品,対象物へ準ランダムな高密度のドットパターンを投影するVCSEL(垂直共振器面発光レーザ)イルミネーター,対象プレーンへ均一に照射するための改良型ウエハーレベルの光学拡散板を搭載した「ams PMSILPlus(VCSEL)フラッドプロジェクター」,2台の赤外線カメラ,カメラが捉えた反射から深度マップ画像を生成する同社のソフトウェア,システム校正ソフトウェア,顔認識ソフトウェアが含まれる。
同社の新たなASVソリューションは,顔などの対象物の深度マップを高精度かつ正確に生成する。低価格でありながら深度マップの質と解像度を維持しており,より簡単な実装工程を実現するという。高精度な深度マップにより,業界初となる,ペイメント・アプリケーションで使えるレベルの品質基準を満たした顔認識が可能となった。
また,自己位置推定と環境地図作成の同時実行(SLAM)を用いたAR/VR,自動車システムでのドライバー監視,スマート工場生産システムでの3Dスキャン,eLockやPOS(販売時点情報管理)システムなど,その他の3Dセンシングアプリケーションにも使用できるとしている。