コヒレントは,2光子顕微鏡向けチューナブルウルトラファーストレーザー「Chameleon Discovery NX」を発表した(製品ページ)。
優れた輝度と高いコントラストで,ディープマルチフォトンイメージングを実現し,特に神経科学やその他の生体内のアプリケーションにおける生体組織のイメージングに適しているという。最大3Wの出力レベルで,サンプルプレーンにおいて最短パルスを提供し,複雑な2光子顕微鏡の構成を実現する。
短いパルス幅は,高輝度/コントラストイメージのキーとなっており,ダイナミックレンジを拡張するグループ分散遅延(GDD)プリコンペンセーターによって実現されている。屈折率の高い対物レンズを使用した広視野顕微鏡のセットアップでも,パルスストレッチを回避し,サンプルの加熱を最小限に抑え,イメージの深度を最大化するとしている。
チューニングレンジは,660nmから1320nm。1040nm(波長固定)で,高出力の発振を得ることができる。また,Total Power Control(TPC)機能を内蔵し,組み込みの高速出力変調が可能。レーザーの優れたビームクオリティを,顕微鏡のスキャンヘッドに直接届けることができる。
さらに,TPCによって提供されるリアルタイムのパワー変調によって,各々のイメージプレートの深さに対するレーザー出力の最適化や,一方向のラスタースキャンが必要な際の高速フライバックビームブランキングが可能となる。また,TPCは,高速の立ち上がり時間と,レーザー出力のアナログおよびデジタル制御を提供し,顕微鏡の走査光学系と同期できるという。
マルチフォトンイメージングに加え,ウルトラファースト分光やその他の時間分解研究用途にも適しているとし,オプションで波長範囲を330nmから16umに拡大できるとしている。