AGCと東京工業大学(東工大)は,「AGCマテリアル協働研究拠点」を2019年7月1日に開設する(ニュースリリース)。
両者はこれまでガラス・セラミックス・有機材料などの領域で共同研究を行なってきた。協働研究拠点とは,企業と東工大がこれまでの個別研究という枠組みを超え,組織同士で大型の連携を実現する新しい制度。
今回開設する拠点では,東工大が物質・材料を含む幅広い領域で保有する学術的知見と,AGCが培ってきた技術力を連携させ,これまでの個別研究では難しかった組織対組織の総合的な研究開発を行なう。また,新研究テーマや新事業分野の創出を行なうべく,AGCと東工大双方の人材から構成される新研究テーマ企画チームを設置し,研究の企画機能を担う。
今回の拠点開設に伴い,まずは「マルチマテリアル領域」として5つの研究室と共同研究を開始する。この共同研究では,AGCの保有するガラスやフッ素系材料などさまざまな材料を複合化・最適化することで,次世代モビリティや高速通信,エレクトロニクスなどの領域で必要となる高機能材料や革新技術・プロセスの開発を深化させ,ソリューションを創出する。
また,次の領域設置も見据えた「NEXTテーマ候補」として2つの研究室と共同研究も開始する。この共同研究では,革新的・挑戦的な研究テーマについて,課題の抽出,解決,および実現に向けたコンセプト検証を行なうという。
この拠点は,東工大すずかけ台キャンパスに約66m2の専用スペースを確保する。AGCからは共同研究員を派遣し,組織対組織の連携を進めていくとしている。