NECは,デジタルビジネスのさらなる加速に向けた新たな取り組みとして,生体認証・映像分析事業のデジタルフレームワーク,デジタルHubを整備した(ニュースリリース)。
人を特定する技術である生体認証は,さまざまな利用シーンで身体を「鍵」や「存在の証明」として活用することができる。これに映像分析技術を組み合わせることで,生体認証で特定した人の動作や周辺状況を理解することが可能になる。
今回同社では,まず全社のアセットとナレッジ(ノウハウ・知見)を最大限活用するための枠組みである「デジタルフレームワーク」を生体認証・映像分析から整備した。顧客への価値提供を起点とし,さまざまなユースケースをビジネスフレームワークとして体系化している。また個々のユースケースを実現するための実装モデルをシステムフレームワークとして定義している。これにより,顧客のニーズや課題に最適な提案や,高度な価値創出が可能となる。
次に同社のデジタルビジネスにおける中心的役割を担う全社共通機能として個別案件を支援するソリューションコア機能と,事業戦略の構築・実行を支援するビジネスコア機能を有する「デジタルHub」を整備した。デジタルHubが中心となってデジタルフレームワークを活用することにより,顧客の課題解決につながる同社のノウハウ・知見を活かしたソリューションを正確かつ迅速に顧客へ提供することを目指す。
さらにシステムフレームワークの1つとして,生体認証・映像分析技術を顧客のニーズや課題に適した形で自在に組み合わせて使えるように,統合プラットフォームを整備した。これにより,クラウド,ネットワーク,エッジにまたがり,生体情報や映像データをリアルタイムかつセキュアに分析することが可能になるという。
なお,同社はこの生体認証・映像分析統合プラットフォームを北米で先行して2019年7月から提供開始する。生体認証・映像分析機能のマイクロサービス化を進め,2019年度内の国内展開を予定。この取り組みにより,同事業について2021年度までにグローバルで1,000億円の事業規模を目指すとしている。