日本アビオ,ファイバーレーザー溶接システム発売

日本アビオニクスは,エコカーの需要増加に伴い軽量化・エレクトロニクス化が加速する自動車向けの,電子部品・二次電池・燃料電池などの製造において銅やアルミなど熱伝導率が高く,高反射率の金属材料を非接触かつ高精度に接合する「ファイバレーザー溶接システム」を発売した(ニュースリリース)。

近年自動車市場においてはEV化や自動運転化が進み,小型モーターやセンサーなど微細部品点数は増加し,また車両軽量化によるアルミの採用,母材同士の直接接合も増加している。それら微細部品の銅やアルミの接合において高精度で安定した溶接が強く求められており,レーザー溶接への期待と需要が高まっている。

今回発売したファイバレーザー溶接システムは,従来製品と比べて高出力化(最大出力1000W→1500W)し,さらにガルバノスキャナと組合せたことで安定した溶接を容易に実現するシステムとした。シングルモードファイバーレーザーの細く深い溶け込みと,ガルバノスキャナのスパイラル(うず巻き)やサーキュラ(円弧を描きながらの横移動)の走査を組み合わせることにより,ビード幅の最適化ができ接合強度を高める。

シングルモードファイバーレーザー(発振機+トランス)は,ビーム径が細く高いエネルギー密度で優れたビーム品質を確保し,ガルバノスキャナ+コントローラにより,溶接ビード/スピードを制御してワークのクラックやスパッタを低減し,広範囲に安定した溶接を高速で実現した。

さらに同軸カメラにより,ティーチングやポジション確認および接合時の溶接状態を観察できることで条件設定の容易化と加工品質の最適化を実現した。また,チラーユニットにより,レーザー溶接機の発振効率を最大かつ安定化する。

これらを組合せることで,熱影響の少ない微小スポット溶接や細く深い溶け込みが必要な封止溶接,キーホール溶接に対応し,従来のレーザでは溶接が困難であった微小な溶接物や反射率の高いアルミや銅材などを,高品質に溶接することができるとしている。

なお,今回はレーザー出力の異なる3機種(レーザー出力500W,1000W,1500W)を同時発売し,さらにシステム化することで同社従来比2/3の低価格を実現。自動車分野はじめ情報機器,医療,エネルギーなど様々な分野の接合シーンでの拡販を目指す。

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