OIST,RNA配列で発光するナノマシンを開発

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究グループは,RNA配列を検出し,蛍光で存在を知らせることができるナノマシンを開発した(ニュースリリース)。

本来RNAには,遺伝子発現を制御し,特定の分子を認識し,化学反応を触媒する多様な機能がある。

今回,研究グループは,正しいトリガー(特定の標的RNA配列)が与えられたときにだけ,熱力学的に安定な形に移行するRNAを設計したいと考え,多くの合成RNAを模索した後,トリガーが導入されたときにのみ大量の光を発するRNAを見つけた。

「RNA分子トランスフォーマー」と呼ばれるこのナノマシンは,2つの状態の間を切り替えられる合成RNA分子。このトランスフォーマーは,標的RNAに結合するとその形状を変え,新たな立体構造が蛍光を発することによって標的の存在を知らせる。また,形状変化と同時に標的RNAを放出するので,さらに多くのナノマシンの形状を変化させることにより,シグナルを増幅させるという。

従来の研究でも,特定の標的を感知し,シグナルを増幅し,そして光るRNAセンサーが作成されたが,これらは複数のRNA鎖を正確な比で混ぜる必要があり,そのようなマシンを作成し使用するのは簡単ではなかった。今回,これら一連の機能を果たすことができる単一のRNA配列の設計に成功した。

研究グループは,今回の研究により細胞自身の機構を用い,細胞内でナノマシンを生成できるようになるとともに,このナノマシンが異なる病状に関連する特定の分子を感知することにより,診断装置として働く可能性があるとしている。

その他関連ニュース

  • 京大,小分子の体内での移動を可視化する方法を開発 2022年12月02日
  • 東邦大,D-アミノ酸酸化酵素活性を蛍光評価 2022年11月28日
  • 阪大,世界最短波長蛍光タンパク質を開発 2022年11月24日
  • 名大,近赤で狭帯蛍光を示すカチオン性分子を開発 2022年11月04日
  • 理研ら,心筋の脂肪酸代謝を可視化する近赤プローブ 2022年10月24日
  • 慶大,消光団の無蛍光メカニズムを初めて解明 2022年10月12日
  • 北大ら,少量の血液からアミロイドßの識別技術開発 2022年10月04日
  • 阪大ら,生体脳から幸せホルモンの蛍光検出に成功 2022年09月27日