AGC,高精細・大画面ディスプレーガラス基板を開発

AGCは,業界最高水準の高ヤング率を持つ,高精細・大画面ディスプレー向け大型ガラス基板「AN RezostaTM」の開発に成功した(ニュースリリース)。

近年,テレビやデジタルサイネージなどの大型ディスプレーで,高精細・高速駆動パネルの採用が拡大している。これらディスプレーパネルの製造工程では,金属膜の厚膜化やIGZO(酸化物半導体の一種)プロセスの採用による高温化が進み,母材となるガラス基板には,金属膜の膜応力による反りの抑制(高ヤング率化)と熱処理による収縮が小さいことが求められている。

同社はこれまで,全てのパネルサイズに対応可能な中小型~大型パネル用ガラス基板「AN100」と,第6世代サイズを中心とした小型・超高精細パネル用ガラス基板「AN Wizus®」を顧客の用途に合わせて提供してきた。

今回,市場拡大が見込まれる大画面・超高精細・高速駆動パネルの性能と生産性の向上を実現するために,「AN100」よりヤング率が高く熱収縮が小さい,大型ガラス基板を開発した。

この製品は,85GPaという業界最高水準の高ヤング率と低熱収縮率を備え,また第8世代などの大サイズ基板の製造と安定的な供給も可能なことから,大画面・超高精細・高速駆動パネルの性能や生産性の向上に寄与するという。

同社は今後,2019年内の量産体制整備を目指すとしている。

その他関連ニュース

  • 2024年の車載ディスプレー出荷量,前年比5.9%増 2024年10月01日
  • ソニーら,eスポーツ用高速表示有機ELモニター発売 2024年09月30日
  • 東陽テクニカら,有機EL素子の超低輝度検査技術開発 2024年09月12日
  • 住友化学子会社,ガラス透明LEDディスプレー実用化 2024年09月09日
  • Neg,ナトリウムイオン二次電池のサンプル出荷開始 2024年08月21日
  • JDI,2つの異なる表示ができる車載ディスプレー開発 2024年08月07日
  • マクセル,ガラス投写型ディスプレーを発売 2024年08月05日
  • 京大ら,ガラスに潜む秩序を抽出して可視化に成功 2024年07月29日