韓国のFujitsu Koreaと富士通は,韓国空港公社が管轄する韓国国内線の全14空港において,生体認証による身元確認搭乗サービスに,同社の手のひら静脈認証が導入されたと発表した(ニュースリリース)。
韓国空港公社が管轄する国内線空港は,現在年間約3200万人に利用されている。韓国籍の満14歳以上の利用者は,国内線利用時に,チェックイン後の手荷物検査場の通過前において搭乗者確認が必要であり,これまでは現場の保安担当者に国民IDカードを提示していた。
しかし,目視による搭乗者確認は時間を要するため,空港内の混雑を招き,韓国空港公社ではこの混雑対策が課題となっていた。また,国民IDカード不携帯の利用者は搭乗することができず,顧客サービス低下の要因の1つとなっていた。今回,韓国空港公社は,手のひら静脈認証の高い認証精度・利便性に注目し,手のひら静脈認証による本人確認システムの導入を決定した。
このシステムの利用者は事前に,空港に設置してある登録機にて,手のひら静脈と自身の国民ID番号,氏名,電話番号を紐づけし登録する。その後,利用者は,今回新規に手荷物検査場の通過前に設置された本人確認ゲートで,搭乗券のバーコードを読み取らせた後,手のひらをかざし本人認証を行なう。
あらかじめ手のひら静脈を登録した利用者は,チェックイン後の搭乗者確認時に必要となる国民IDカードを提示することなく,ゲートに搭乗券と手のひらをかざすだけですぐに本人として認証される。
これにより,従来,空港係員が行なっていた国民IDカードの目視での本人確認が自動化され,搭乗者確認の精度向上や対応時間の大幅短縮を実現する。また,利用者は国民IDカードを常時携帯する必要がなくなるほか,待ち時間が削減され,空港でのスムーズな手続きが可能になるという。
このサービスは2018年12月28日より稼働し,現在すでに16万人が登録を行ない,利用者数は延べ100万人を超えている。同社は今後,手のひら静脈認証を利用したセルフチェックインやセルフ搭乗ゲートの検討を進めていくとしている。