ボストン・サイエンティフィック ジャパンは,前立腺肥大症の外科的治療に用いる,高出力の532nm緑色可視光レーザーシステムの新型となる「GreenLight XPSTM」の日本における取り扱いを開始した(ニュースリリース)。
このレーザーシステムは高出力のレーザー発生装置(Nd:YAG Qスイッチレーザー,180W)と専用のレーザガイド用プローブ(ファイバー)から構成され,前立腺肥大症の治療に対する外科的治療の1つであるPVP(光選択的前立腺レーザー蒸散術)を行なうことができる。
PVPでは,内視鏡(膀胱鏡)を用いて経尿道的に肥大した前立腺へアプローチし,高出力緑色可視レーザー光を照射して,肥大により尿道を圧迫している前立腺組織を加熱・蒸散させることで尿路のつまり(閉塞)を取り除く。
PVPに用いる532nmの緑色可視レーザー光は血液中のヘモグロビンに選択的に吸収され,効率的に肥大した前立腺の腺腫を蒸散させることができるため,PVPは出血のリスクが少なく,抗凝固剤使用下においても服薬を休止等せずに安全に施行することが可能だとする。
また,勃起障害(ED)などの性機能障害に影響せず,逆行性射精などの射精障害の発生頻度を抑制させることができるため,すでに世界で90万例以上の実績があるという。
この製品では,従来品に比べて緑色レーザーの出力性能が向上し照射面積が1.5倍になる。また,専用ファイバーの改良により耐久性が向上し,手技中の失透(ファイバー先端部の劣化)を抑えることでエネルギーを効率的に伝送することができ,手術時間の短縮と,より大きな前立腺肥大症の症例における術者の負担を軽減することが期待されるとしている。