第14回レーザーセラミックスシンポジウム(Laser Ceramics Symposium 2018: LCS2018)が11月26日~30日,自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンターにて行なわれた。
このシンポジウムは日本発のレーザーであり,光学特性,物理特性において単結晶を上回る性能を発揮し,固体レーザーに革新をもたらしたセラミックスレーザーについて議論する国際会議として2005年にポーランドで第一回目を開催したもので,日本では2006年に続いて2回目の開催となる。
今回はセラミックスレーザー研究の草分けである,平等拓範氏(分子研教授/理研グループディレクター)がゼネラルチェアを,電気通信大学教授の植田憲一氏らがシンポジウムのプロモーターおよびプログラムアドバイザーを務めた。
日本を筆頭に中国,アメリカ,ロシア,フランスなど12か国から約90名が参加。5日間の会期において,6件のキーノートスピーチ,22件の招待講演,16件の一般投稿講演,28件のポスター発表,2回のラウンドテーブルが行なわれた。また,ポスター会場では6社・団体が製品展示を行なった。会期2日目には岡崎ニューグランドホテルにて会食が行なわれ,開催地である岡崎市の内田康宏市長や地元議員も挨拶に訪れた。
目新しい話題としてファラデーアイソレータや磁気光学効果などについての議論があったほか,ディフェンスへの応用の期待から赤外波長に関するトピックスも議論が交わされた。また,セラミックスの常温接合や異方性,ファイバーセラミックスなどもホットな話題として取り上げられた。
セラミックスレーザーが期待される先進的なアプリケーションとしてはレーザー核融合があるが,そのもう一歩手前の話題としてレーザー加速についてラウンドテーブルが行なわれ,会場では時間を過ぎても次々と発言が続く熱気に包まれた。こうしてLSC2018は成功裏に無事会期を終えた。次回のLSC2019はポーランドでの開催を予定している。