CETAC会場では太陽誘電と凸版印刷が,それぞれLEDによる光無線装置を展示,それぞれ4K映像中継などのデモを行なっている。
光無線はLEDを高速変調させることで光通信を実現する装置だが,一般的な光通信にようにファイバーを使用せず,空間中に光を通すことで通信を行なうもの。装置以外にケーブルなどのインフラの構築を必要としない手軽さといった特長がある。
太陽誘電が展示するのは今年2月に発売を開始した装置で,光源にはピーク波長860nmの赤外線LEDを用いている。最大100Mb/sのイーサネット通信が可能で,通信距離は100mとなっている。
豪雨や濃霧といった悪条件下でも通信が可能だとしており,既に駅前商店街の防犯カメラ用や,工場の建物間の通信などに採用実績があるという。価格は1セット約30万円。
凸版印刷は,今年10月より光無線市場に参入を表明している。同社はネットワークを活かした営業活動を担当し,装置はクオンタムドライブの技術を用い,開発・製造は電気興業が行なっている。
この装置は青色LEDを用いた可視光通信で,最大450Mb/sのイーサネット通信を日中で最長400m,夜間では1,000mの距離で行なうことができるとする。青色を用いた理由として,通信を行なっていることが周囲にも分かること,水中でも透過性が高く通信が可能なこと,窓に赤外線カットフィルターが付いていても通信可能なことなどを挙げた。
まだ評価段階ということもあり,現在の価格は250万円と高額だが,インフラ設置が不要だと考えれば納得できるものではないかとしている。現在,最大通信速度750Mb/s,日中通信距離600mのタイプも開発しており,2019年以降に完全防水タイプとして発売を開始する予定だとしている。