2020年度の国内業務用掃除ロボット市場,21億9,600万円

矢野経済研究所は,2017年度の業務用掃除ロボット市場を調査し,用途別動向,参入企業動向,将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。

業務用掃除ロボットが担う作業は,現状人手による作業が中心で,総じて作業効率は低く,作業環境もよくない。業務用掃除ロボットは,その人手に代わる手段として有効となる。そうした背景からか,2013年以降から新規参入が相次いでおり,一部上場企業からベンチャー企業までその顔触れは多彩となっているという。

2017年度の国内業務用掃除ロボット市場(メーカ出荷金額ベース)は,前年度比122.3%の7億6,700万円を見込む。市場規模は拡大傾向にあるが,その金額自体はまだまだ小さなものとなる。製品単価に違いがあり,用途別にみると,床掃きや床洗浄,水底掃除ロボットの構成比が高いという。

業務用掃除ロボットの普及を図るためには,メーカー側とユーザー側双方に求められる課題があるとする。メーカー側に求められることは,機能発展の可能性を含めた製品の性能向上であり,使いやすさの向上となる。ユーザー側に求められることは,ロボットを受け入れる意識と体制の構築となるが,それぞれの用途によって差異はあるとする。

特に,床掃きロボットと床洗浄ロボット,窓拭きロボットは,まだまだ改良の余地があり,製品として成熟させる余地はあるとする。特に,ユーザー側においては受け入れ体制が未完成で,ロボット性能を活かす視点での取り組みはまだ一般化していないという。ユーザー側にこれまでロボットの導入経験がないが故に止むを得ないが,そのハードルを越えなければロボットの普及は考えられないとする。

用途別に需要をみると,床洗浄ロボットと床掃きロボットが期待されており,普及の先鞭をつけていくことが求められるという。ビルメンテナンスロボット普及促進コンソーシアムによるセンター開設や導入手引書も普及に大きく後押しする見通しだという。また,2020年には東京オリンピック・パラリンピックも開催され,そこに向けての需要増加もあり得るとする。

業務用掃除ロボットの普及を軌道に乗せる為にも,それまでにヒット作が出ると普及に弾みがつくものの,一方では本格的な普及は2020年度以降になるとしており,2020年度までの期間はその為の助走期間にあたるという。同社では,2020年度の国内業務用掃除ロボット市場(メーカ出荷金額ベース)は,21億9,600万円まで成長すると予測した。

その他関連ニュース

  • JDIと米Obsidian,サーマルセンサー開発製造で協業 2024年12月13日
  • オフィール,高出力レーザーセンサーを発売 2024年11月25日
  • 三菱電機,広画角の80×60画素赤外線センサーを発売 2024年10月24日
  • カツラオプト,広範囲測定一体型チルトセンサを発売 2024年10月03日
  • ニコン・トリンブル,LiDARセンサーの取り扱い開始 2024年10月03日
  • カツラオプト,チルトセンサを2機種発売 2024年09月13日
  • 2033年の協働ロボット世界出荷台数,68万台を予測 2024年08月05日
  • ジャパンディスプレイ,有機光検出器で健康を見守り 2024年02月08日