データベースマーケティングのスプリームシステムと,ITコンサルタントのI・C・Sは,スプリームシステムが開発,販売を行なう動線分析ツール「Moptar(モプター)」を,京王電鉄が運営するショッピングセンター「キラリナ京王吉祥寺」に期間限定で導入し,来店した顧客の動線分析を実施した(ニュースリリース)。
Moptarは,人に専用タグやアプリなどの位置情報を特定するための機器を携帯させず,店内に設置したセンサーの深度データから人とモノを検出し精度高く動線として追跡する。特定空間における人の回遊状況や振る舞い,興味関心度といった定量化が困難だった不可視情報をデータとして取得,分析することを可能にする動線分析ソリューション。
今回の動線分析では,来店した顧客はタグや専用アプリなどを持たず,フロア内に設置したレーザーセンサーで人の動きを取得した。フロアの計測対象エリアにいる来店された顧客全体の動線を取得し,テナントの回遊性向上につなげていくためのデータ収集を行なった。
センサーは,キラリナでも標準的なコンコース構造である2フロアの共用部に設置。同店では天井に設置する3Dタイプも検討したが,今回のケースでは工事が大規模になること,費用がかかることなどを考え,床にポールを置く2Dタイプを選択した。各フロアは2000m2ほどの広さだが,それぞれ16台,17台のセンサーを設置することで,フロア共用部全体をカバーした。
スプリームシステムでは,収集したデータをもとに,テナント間の相関性,エスカレーター上りと下りの顧客の回遊性の違い,設置後の誘導状況,目的のある顧客の回遊状況などを分析し,今後のテナントへの営業提案や販促施策の検討に活用してもらうとしている。