オン・セミコンダクターは,SensL Technologies社(SensL)の買収を発表した(ニュースリリース)。
SensLは,アイルランドに拠点を置く自動車,医療,産業,民生の各市場向けのシリコン光電子増倍素子(Silicon Photomultipliers:SiPM),シングルフォトン・アバランシェダイオード(Single Photon Avalanche Diode:SPAD),およびLiDARセンシング製品に特化した企業。同社は今回の買収により,イメージング,レーダー,およびLiDARにおける能力を拡大し,ADASと自動運転用センサーアプリケーションを強化する。
また,既に買収したイスラエルおよびイギリスのレーダー技術およびデザイン・センターを組み合わせることにより,次世代の高度自律走行車向けに一連の包括的なセンサソリューションを提供し,イメージセンシングと超音波駐車支援における立場を強化する。
SensLは,入手しやすいソリッドステートLiDARの実現に期待されるSiPMおよびSPAD技術に関わる幅広い製品ラインナップしており,医療イメージングの技術も有する。同社は,多くの顧客と,SPADおよびSiPMベースの深度センサ技術をベースにしたロードマップにより,新興分野である車載LiDARに参入している。
この技術は,コスト効率の良いソリッドステートLiDARソリューションに適したCMOSをベースとなっている。また,イメージングの困難な状況でも高い深度の精度,距離,消費電力を実現する。これらの深度センサ技術は,産業用ロボット,マシンビジョン,ドローン,およびモバイルや他の民生アプリケーションにおける発展も可能にする。
さらに,オン・セミコンダクターは,自社の幅広いポートフォリオとASIC分野の強みをSensLのセンサで補完することで,自動車,医療,産業,民生の各市場向けに,より完全で最適なソリューションを提供できるようになるという。また,2017年に買収したレーダー技術を組み込んだサンプルを2018年後半に出荷するとしている。