NECは,米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した虹彩認証技術の精度評価テスト(IREX IX)において,第1位の照合精度を有するとの評価を獲得した(ニュースリリース)。
虹彩認証技術は,目の角膜と水晶体の間にあるドーナツ状の薄い膜である虹彩データを用いた生体認証方式の1つで,非接触型で高精度かつ高速な本人認証が可能なことから,近年では海外の団体・企業を中心とした大規模照合が必要なシステムで活用され始めている。
特に政府機関では,プライバシー保護とさらなるセキュリティ強化の観点から,国民IDや出入国管理,犯罪捜査などのより厳格な本人認証が求められる環境でのニーズが高まりつつあるという。
同社は今回,近赤外線で撮影した虹彩データを用いて評価したIREX IXにおいて,照合精度99.33%と参加した13団体のうち1位の結果を獲得した。虹彩データの特徴量の抽出・照合やノイズ除去などの独自技術を用いることで高い精度を実現し,今回の最高評価に至った。
同社は,虹彩,顔,指紋・掌紋,指静脈,声,耳音響などの生体認証技術を有しており,これまで70以上の国や地域に,700以上のシステムを導入している。また,顔認証技術ではNISTのベンチマークテストにおいて第1位の評価を4回連続で獲得し,指紋認証技術でも第1位の評価を獲得している。