名大ら,細胞ラベリング用低毒性量子ドットを開発

名古屋大学の研究グループは,村田製作所の開発・製造ならびに、富士フイルムグループ和光純薬工業と共同で,4K,8Kディスプレイーや太陽電池に応用されている最先端量子ドット技術を駆使して開発したiPS細胞等の幹細胞の高感度イメージングが可能な量子ドットを,幹細胞ラベリング用超低毒性量子ドット「FluclairTM」試薬として商品化した(ニュースリリース)。

今回,商品化される量子ドット「FluclairTM」は,カドミウム等の毒性成分を含まないため,従来の量子ドットと比較して細胞毒性が大きく低減され,従来では困難であった強い蛍光強度を有する量子ドットの高濃度での使用を可能にした。

また,発光する波長ごとに「Green」,「Yellow」,「Red」の3種類をラインナップし,ユーザーが保有するイメージング機器や他の蛍光試薬の使用に応じて,最適な蛍光波長を選択できるようになっている。

この試薬は量子ドットのバイオ応用にスムーズに展開できるように設計されているため,これまで量子ドットの使用経験が乏しかった研究者にも非常に簡便に利用できるという。

この試薬の商品化により,多くの幹細胞のイメージングが求められる基礎試験に利用されることで,今後の再生医療の実現・加速への貢献が期待されると同時に,他の細胞治療研究や分子イメージング研究にも将来的に応用される可能性も期待されるとしている。

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