NTTエレクトロニクス(NEL)は,高密度波長多重(DWDM)光通信システム向けに,64GBaudデジタルコヒーレント信号処理回路(DSP)を発表した(ニュースリリース)。
新DSPは,複数の変調速度と変調符号の組み合わせにより,32GBaud QPSKによる100Gbps/λから64GBaud 64QAM(2倍速かつ3倍容量)による業界初の600Gbps/λまで,多様なライン容量に対応する。
これにより,ファイバーあたりのDWDM伝送容量を5Tbps(数千km)から30Tbps超(120km)まで,距離に応じてシームレスに最大化することができる(二つの波長帯C-bandとL-bandを併用すれば容量倍増も可能)。
増え続ける通信トラフィック需要に対応して,QPSKによる200Gbps/λ長距離伝送(数千km),16QAMによる400Gbps/λメトロ伝送(数百km),64QAMによる600Gbps/λ近距離データセンタ間伝送(120km)などへの適用が期待される。
新64GBaud高性能DSPは,NTTエレクトロニクスCMOS DSPでは3世代目となる最先端16nm CMOS Fin-FETプロセスを採用。新規に設計されたDSPコアと,ビジネス提携する米Broadcom社(NASDAQ:AVGO)の高速アナログ・デジタル混載技術により,同じ第3世代製品の32GBaud低電力DSP(QPSK 100Gbps/λ、16QAM 200Gbps/λ)と比べても1波長あたりの伝送容量を2~3倍に,伝送距離を60%伸ばすことに成功した。
同社は,この64Gbaud DSP製品を2018年後半に量産開始するとともに,今後も業界最先端のDSPラインナップを拡充していくとしている。