矢野経済研究所では,カーナビゲーション,DA(ディスプレイオーディオ)メーカー,自動車メーカー(OEM),一次部品メーカー(Tier1)等を対象として国内及び世界主要国のカーナビ市場の調査を実施した(ニュースリリース)。
それによると2016年のカーナビ世界市場規模は2,296万1,000台で,前年比110.3%と自動車販売台数の拡大に合わせて伸長している。自動車の魅力向上に,音楽・映像配信などのインフォテインメント(情報・娯楽)システムの果たす役割が大きくなっており,その代表的な存在がカーナビとなっている。今後,世界の自動車市場においてカーナビを含むインフォテイメントシステムの重要性が更に高まっていくとしている。
高級車には,センターディスプレー,クラスタディスプレー,ヘッドアップディスプレイ(HUD)等を統合した車載HMI(Human Machine Interface)システムであるeコクピット,中・小型車にはDIN型カーナビ,アジア地域展開の大衆車や米国のKT法遵守にはディスプレイオーディオ(DA),新興国ではスマートフォンナビとPND(ポータブルナビゲーションデバイス)といった棲み分けが進む一方で,各国のスマートフォン普及率や政府による大衆車政策などの市場環境等によってカーナビの使われ方が変わる可能性もあるとする。
世界規模でみると,カーナビ市場はまだ伸び続けており,2022年の世界カーナビ市場規模は,3,117万台に拡大すると予測する。純正化の進展やeコクピットへの統合,スマートフォンとの連携など,今後の車載情報端末はeコクピット,カーナビ,PND,DA,スマートフォンナビといった複数の種類の各々の製品が,各国の文化や言語,生活環境といった市場環境や特性を反映しつつ,地域別需要に適合しながら,共存していくとみる。