日本板硝子は,微細貫通穴ガラス基板(TGV:Through Glass Via、以下「TGV」)の開発に成功した(ニュースリリース)。
TGVは厚さ0.1〜1mm程度の薄いガラス基板に直径数10〜100㎛の微細な貫通穴を超高密度で開けたガラス基板で,次世代の電子基板材料として注目を集めている。
近年のスマートフォンの普及による大容量のビデオデータ利用拡大に加えて,スマートメガネ,スマートウォッチ等の小型電子デバイスの利用シーンも増加し,電子機器に求められる薄型,高速通信,低消費電力といったニーズは益々強いものとなっている。ガラスは,平滑な表面形状,熱的安定性,電気絶縁性,透明性などの特性を有しており,高性能化を求める電子基板材料として適している。
一方,微細な多数の貫通穴加工は,これまでドリルやレーザーなどの加工方法が一般的だったが,これらの方法でガラスを加工するとガラス基板が割れたり,貫通穴形状が不均一になったり,実用的な加工速度が得られずに高コストになるなど多くの課題があった。
同社は,これまで培った独自の技術と経験を元に,実装基板(GIP)に適したガラス材料と高品位な穴形状を形成する実用的な加工技術を同時に開発した。今後,TGVが次世代の電子基板材料として採用されるよう,提案と実用化に向けた準備を進めていくとしている。