九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター教授の安達千波矢氏が,仁科記念財団の2017年度仁科記念賞の受賞者に決定した(ニュースリリース)。
仁科記念賞の授賞は著名な物理学者であった仁科芳雄博士の功績を記念し,原子物理学とその応用に関して優れた研究業績を挙げた若手研究者を表彰することを目的として行なわれているもの。同大からは,過去に伊藤早苗主幹教授(応用力学研究所),井上研三教授(理学研究院),藤澤彰英教授(応用力学研究所)などが受賞している。
今回の受賞の対象となった研究業績は,「熱活性化遅延蛍光現象を用いた高効率有機ELの実現」。100%の三重項励起子の励起一重項状態への遷移が今回の受賞の研究によって実現された。これにより,高効率有機EL素子の実現のみならず,分子励起子のスピン状態の基礎的な理解が進み,分子物性物理学にも大きな貢献を果たした。
同賞の受賞式は,12月6日に東京で行なわれる。