メガネスーパーは,開発する両眼タイプのウェアラブルディスプレー「b.g.」(beyond glasses)を,デジタルコンテンツエキスポに出展した。
この開発品は,両眼の前に非透過型の小型液晶ディスプレー(1024×720)を視線よりやや下方に設置したタイプで,装着すると視界の下側に映像を見ることができる。眼鏡メーカーとしての経験を活かし,自然な装着感や見え方にこだわった。
ウェアラブルディスプレーはICT系の企業を中心に多くの製品が既に上市されている。タイプとして透過型,非透過型があり,共に片眼タイプが中心となっている。同社ではその使用感を調べたところ,既存の製品では目が疲れる,文字が見にくいといった声が多く寄せられたという。
こうした声をもとに開発した「b.g.」は,ウェアラブルディスプレーとしては初めてとなる両眼非透過タイプを採用した。これにより,様々なシーンで眼に負担の少ない表示が可能になったとしている。
展示会では歴史的な屏風図の全体を眺めながら,「b.g.」にその一部分を拡大表示したり関連映像を流して,説明をするデモを行なった。実際に体験してみると,両眼ならではのちらつきのない映像表示が印象的であった。
また,使用方法に自由度を持たせるためにあえてディスプレーに特化した,本体と電源のみのシンプルな構成となっている。製品はHDMIと電源を同軸化したケーブル1本で使用できるようにするほか,現在90g程度ある重さも50gに抑えたいとしている。
同社では来年の発売を目指しており,年内にはサンプル提供を開始する。既に製造,エンタメ,医療,福祉などの業界から引き合いがるという。また,製品化に際してはディスプレーに有機ELを採用すると共に,解像度も上げるとしている。価格は未定だが,10万円程度となる予定。