クラリオンは東京モーターショーにて,近赤外感度を有するCMOSカラーセンサーにより,可視光によるカラー映像と近赤外線による白黒映像を合成することができる「カラーナイトビジョン」を展示する(関連記事)。
従来のナイトビジョンは白黒でしか画像を取得できないが,開発したカラーナイトビジョンは可視光にも感度があるため,両方の映像を一度に取得できる。人間は赤外光を感じないのでハイビームに赤外光を用いれば,対向車や先行車に眩しさを感じさせずに遠方の映像を取得できる。
さらに,可視光にも感度を持つので,暗所でも信号機や先行車のテールランプやウィンカー,反射材を用いた標識などの発光体はカラー画像として取得できる。同社はこの両者の画像を独自の画像処理装置(ISP:Image Signal Processor)により合成することに成功した。
CMOSセンサーは専用のものを用いており,解像度は200万画素。低照度にも優れた感度を持ち,0.1 lxの明るさでもカラーで映像を取得できる。またルームミラーに隠れるサイズながらECUを搭載しており,物体と距離の検出,白線検出などが1台で可能になっているので,ADAS(先進運転支援)システムや自動運転にも利用が期待される(写真上 可視光のみでの映像,写真下 上に加えて赤外光を照射した映像)。
同社では基礎技術は完成したとして,今後はセンサー及びISPのブラッシュアップすると共に,ヘッドランプメーカーとも協力しながら「100m先が見える技術」として2020年の製品化を目指す。また,同じく日立グループ会社である日立オートモーティブの持つデバイスや技術とのヒュージョンも視野に入れている。