東京大学の合田圭介教授,三上秀治助教,工学系研究科の小関泰之准教授は,日本光学会「光設計特別賞」を受賞した(ニュースリリース)。
受賞業績は「通信工学技術を応用した超高速共焦点蛍光顕微鏡」。共焦点蛍光顕微鏡は生命科学・医療分野において有用な生物試料の観察手段。合田教授らは,通信工学の技術を応用することで,従来よりも桁違いに高速(毎秒16,000フレーム)な共焦点蛍光顕微鏡を設計・実証した。
この技術により,生体内の高速現象の観察やリアルタイム3D撮像など,共焦点蛍光顕微鏡の撮像対象が飛躍的に広がることが期待される。
また,化学専攻の雷誠特任助教は日本光学会「光学論文賞」を受賞した。受賞論文は「High-throughput label-free image cytometry and image-based classification of live Euglena gracilis」Biomedical Optics Express 7,2703(2016)。
現存する顕微鏡の中で最も高速に連続撮像が可能なタイムストレッチ顕微鏡(合田教授が2009年に開発)を応用し,多数の細胞の顕微鏡像を短時間に取得・解析する手法を確立した。この手法はあらゆる細胞種への適用が可能であり,医療,創薬,バイオ燃料開発など,さまざまな分野での応用が期待される。
いずれの受賞案件も2017年10月30日~11月2日に行われる日本光学会年次学術講演会において授賞式と受賞記念講演が行なわれる予定。