シャープ,LEDを用いた土壌分析装置を発売

シャープライフサイエンスは,農作物の生育に必要な土壌中の養分6種類(硝酸態窒素,アンモニア態窒素,リン酸,カリウム,カルシウム,マグネシウム)について,10分間で過不足を測定できる土壌分析装置「EW-THA1J」を発売する(ニュースリリース)。

面積の限られた日本の農地では,長年にわたる連作や過度な施肥などの影響により,一部に養分過多や成分バランスの乱れが生じている。そのため,農作物の生育障害や収穫量の減少が懸念されており,土壌分析に基づく適切な施肥の必要性が高まっている。

現在,土壌分析は専門機関に委託するのが一般的で,近隣に分析機関がなかったり,測定に数週間を要したりすることから,土壌分析を実施する農家は,全体の1割程度に留まっているという。

この製品は,光センシング技術と独自のカートリッジシステムにより,土壌に含まれる6種類の養分の量を,10分間で簡単に測定することが可能。光源は3色のLED(R,G,B)を選択制御する。

試薬の入ったカートリッジと,土を希釈液に浸してろ過した溶液(試料液)を本体にセットすると,養分と試薬が混ざり合い,発色する。そこにLED光を照射して光の透過度をセンシングすることで,6種類の養分の量をそれぞれ計測できる。

計測結果は,「分析レポート」としてその場ですぐに確認することが可能。また,各養分の過不足をチャートで示すほか,作物の種類に適した肥料の種類や施肥量を提案する。

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