ギガフォトンは,最新の光学設計製造技術(=Cutting Edge Solution)を導入した,スペクトル幅制御技術 「hMPL」を開発したと発表した(ニュースリリース)。hMPLは,すでにチップメーカーでの実機評価を終えており,今後の最先端の半導体製造アプリケーションに応えるとしている。
半導体リソグラフィ工程においてスペクトル幅は最も重要なパラメータの1つだが,hMPLは,LNM(狭帯域化モジュール)の光学的な熱負荷を低減し,スペクトル幅ターゲット値を従来の300fm(フェムトメートル)から200fmに縮小した。また,新たな制御アルゴリズムを導入することにより,上限値を450fmまで拡大することも可能とした。
このhMPLのメリットは以下の2点。一点目は,スペクトル幅を従来より細くできるためコントラストが向上しプロセスウィンドウが広くなりる。二点目はスペクトル幅を変更できるため,露光装置間のコントラストの違いを調整することができる。これはIoT向け半導体製造のように,露光装置を新旧取り混ぜて用いる場合に有効な手段となる。
これらのメリットにより,hMPLは露光プロセスの余裕度を向上させ,プロセスの最適化,チップの生産性向上に貢献するという。同社ではhMPLを,2017年末出荷予定の液浸リソグラフィ用ArFエキシマレーザー「GT65A」に標準搭載するとしている。