NAIST山口氏,脳内イメージングで応用物理学会論文賞を受賞

奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の山口貴大氏(博士後期課程3年)は2017年9月5日,福岡国際会議場で開催された第78回応用物理学会秋季学術講演会にて,応用物理学会論文賞(論文奨励賞)を受賞した(ニュースリリース)。

同賞は,2015年および2016年に,機関紙「応用物理」,または「Japanese Journal of Applied Physics」,「Applied Physics Express」に発表された論文を対象とし,主たる著者が35歳以下である優秀な原著論文の著者に授与されるもの。

受賞論文は,生きた生物の脳内に埋植可能なCMOSイメージングデバイスの観測精度改善を目的としたもの。脳内の神経活動を光学的に観察するため,脳血管中のヘモグロビン濃度の変化を光吸収変化として測定する手法が知られているが,その変化量が微弱であるため,測定に用いるCMOSイメージセンサーの信号雑音比向上が課題となっていた。

論文では,CMOSセンサーに自己リセット機能を導入するとともに,熱起因の雑音を低減することで信号雑音比の向上を図り,通常のイメージセンサーに比べ5倍以上の精度での測定を実現した。更に,作製したセンサーを実際にマウス脳中に埋植し,鮮明な神経活動の観察にも成功した。

この論文によって,生きた生物の自由に活動している状況での様々な動作解析を行なう上で,脳内の活動をその場で観察する革新的な技術が実現すると期待される。

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