2015年度光産業全出荷額は16兆8,259億円,国内生産額は8兆8,962億円

表1 光産業の全出荷額(総括表)
表1 光産業の全出荷額
(総括表)

光産業技術振興協会は,2016年度の光産業全出荷額と国内生産額の調査結果をまとめた。

それによると,2015年度の全出荷額は成長率5.1%減の16兆8,259億円,国内生産額は成長率2.3%減の8兆8,962億円となった。2016年度の全出荷額は成長率13.7%減の14兆5,170億円,国内生産額は成長率11.9%減の7兆8,373億円になる見込みで,2017年度の全出荷額,国内生産額はいずれも若干の減少が予測されている。

表2 光産業の国内生産額(総括表)
表2 光産業の国内生産額
(総括表)

2014年度は全出荷額,国内生産額ともに増加したものの,2015年度は減少に転じ,2016年度もマイナス成長になると見込まれ,光産業を取り巻く環境は厳しさを増している(表1, 2)。

■2015年度の分野別全出荷額(実績)

2015年度の全出荷額のうち,光機器・装置は成長率5.9%減の11兆8,509億8,900万円,光部品は同2.9%減の4兆9,748億9,300万円となった。

分野別では,情報通信分野が成長率2.1%増の5,313億5,800万円,情報記録分野が同6.7%減の1兆539億5,200万円,入出力分野が4兆689億1,400万円,ディスプレー・固体照明分野が同5.3%増の6兆5,449億1,800万円,太陽光発電分野が同19.6%減の3兆7,333億5,000万円,レーザー・光加工分野が同9.2%増の5,585億8,900万円,センシング・計測分野が同4.6%増の2,497億3,500万円となっている。

増加した分野の動向だが,情報通信分野は光伝送部品の伸びがけん引し,100 Gb/s伝送やデータセンター向けの需要増が後押しする結果となった。また,光ファイバー融着接続機も伸長しており,同9.7%増の233億8,800万円となっている。

ディスプレー・固体照明分野は,FPDやプロジェクターがやや増加したものの,金額を押し上げているのはLED照明機器となっている。ディスプレーでは今後,有機ELディスプレーの市場動向が注目される。

図1 光産業全出荷額の分野別推移
図1 光産業全出荷額の分野別推移

ここ数年,大きな成長を示しているのがレーザー・光加工分野で,2015年度には情報通信分野を超えるまでに伸びている。自動車分野を中心とする旺盛な設備投資が背景にあるが,電子機器・部品へのレーザー・光加工プロセスの応用も広がっている(図1)。

センシング・計測分野の伸びは,自動運転車や先進運転安全支援システム向け車載カメラ市場の拡大や,監視カメラなどセキュリティー市場の伸びと連動していると考えることができ,また,これに伴う光測定器も高い伸びを示している。