広大ら,産学連携での蛍光アスベスト検出技術で表彰

著者: sugi

広島大学,シリコンバイオ,オプトサイエンスのグループは,内閣府の第15回産学官連携功労者表彰において「環境大臣賞」を受賞した(ニュースリリース)。

受賞対象となった事例は「「アスベスト迅速検出装置」の開発に係る産学官連携」。日本にはアスベストを含む建材が約4,000万トン存在しており,今後アスベストが使われた古い建物の解体のピークを迎えるため,飛散アスベストの対策が急がれる。

グループは,世界初となるバイオ技術を駆使してアスベストを蛍光で検出することに成功した(蛍光法)。従来の電子顕微鏡を用いる方法(数日から1週間)に比べ,格段に時間を短縮することができた(約1時間)。

この表彰は,大学,公的研究機関、企業等における産学官連携活動において大きな成果を収め,また,先導的な取組を行なう等,産学官連携の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し,その功績を称えるもの。我が国の産学官連携の更なる進展に寄与することを目的とし,平成15年度より行われているもので,今回が15回目となる。

表彰式は,9月1日(金)に東京ビッグサイト(東京国際展示場)で行なわれる予定。

キーワード:

関連記事

  • 新潟大,蛍光分光法で無花粉スギの簡易識別法を開発

    新潟大学の研究グループは,蛍光分光法を用いた無花粉スギの簡易識別技術を開発した(ニュースリリース)。 無花粉スギの花粉を飛ばさない性質は,雄性不稔遺伝子と呼ばれる1つの潜性遺伝子で決まる。そのため,両親から雄性不稔遺伝子 […]

    2025.10.01
  • 広島大ら,魚から発せられる光により鮮度を判定

    広島大学と宇和島プロジェクトは,生物が本来持っている蛍光(自家蛍光)を詳細に解析することにより,鮮魚の鮮度を非破壊的かつ定量的に評価できる可能性を調査し,少なくとも,トラウトサーモン,マダイ,ブリの3魚種に共通する蛍光成 […]

    2025.08.18
  • 科学大,粘度測定を実現する蛍光色素の設計指針確立

    東京科学大学の研究グループは,凝集誘起発光色素(AIE色素)の粘度応答性発光を実験と理論の両面から系統的に調査し,従来の分子ローターと呼ばれる蛍光粘度センサーよりも高感度な分子の設計指針を確立した(ニュースリリース)。 […]

    2025.08.08
  • MKS,蛍光イメージング向けフィルターセットを発売

    米MKS Inc.は,蛍光イメージング向けに設計した「Newport ODiate 蛍光フィルターセット」を発表した(ニュースリリース)。 DAPI,TRITC,GFP,FITC,Texas Red,Cyanine (C […]

    2025.06.26
  • 芝浦工大ら,可視から赤外域に切替わる蛍光色素開発

    芝浦工業大学,早稲田大学,物質・材料研究機構は,可逆的な酸化還元反応によって可視(VIS)から近赤外(NIR)・短波赤外(SWIR)領域へと蛍光をスイッチできる有機色素材料の開発に成功した(ニュースリリース)。 有機蛍光 […]

    2025.05.21
  • 東大ら,力を色で可視化するウェアラブルセンサ開発

    東京大学と深圳先進技術研究院は,色の変化で力を可視化するウェアラブルセンサを開発した(ニュースリリース)。 力を可視化するメカノクロミック素材は色々あるが,定量的に力を読み取ることができるものは多くない。 研究グループは […]

    2025.05.08
  • 農工大,EL材料や蛍光マーカーに期待の材料を合成

    東京農工大学の研究グループは,シリル基を有する共役ジエンとシリル基を有するアリールアルキンの間で炭素―炭素結合の形成と水素移動による直接的カップリング反応を行なうことにより,反応から廃棄物を出すことなく,2つの異なるシリ […]

    2025.04.28
  • 工科大ら,がんのバイオマーカーを3分で蛍光測定

    東京工科大学と東京科学大学は,メチル化DNAに結合するタンパク質に発光タンパク質と蛍光タンパク質をそれぞれ融合させた2種類のタンパク質を用い,がんのバイオマーカーとなるゲノムDNAのメチル化レベルを3分以内に迅速測定する […]

    2025.04.25
  • オプトキャリア