矢野経済研究所は,自動車メーカー,カーエレクトロニクスメーカー等を対象に,駐車支援/自動駐車システムの世界市場について調査を実施した(ニュースリリース)。
駐車支援システムは,ステアリング操作のみを自動化し,アクセルやブレーキ、シフトレバーについてはドライバー(運転者)が操作する必要のあるシステムだが,ドライバー監視下で,ステアリング,アクセルやブレーキ,シフトレバーの全てを自動化する駐車支援システムの実用化も始まっている。なお,同システムには,リモートパーキングシステムを含む。
一方,自動駐車システムはドライバーの監視が不要で,ドライバーの降車後にシステムが駐車可能スペースを検出し,無人で自動駐車をする(バレーパーキング)システム。なお,市場規模は駐車支援,および自動駐車システムともに,搭載台数ベースで算出した。
2016年における駐車支援システムの世界市場規模は,前年比28.1%増となる455万2,550台に拡大した。超音波センサー,もしくはカメラで車両周囲の状況を検知して,ステアリング操作のみを自動化したシステムが大部分を占める。一部の高級車では,2016年からステアリングだけでなく,ブレーキやアクセルも自動化した駐車支援システムの採用が始まっており,降車後にドライバー(運転者)が遠隔操作で駐車可
能なリモートパーキングシステムの搭載も進んでいる。
駐車支援および自動駐車システムはミドルクラス以上を中心に搭載が進み,2020年の世界市場規模は1,222万7,100台まで拡大し,2015年から2020年までの年平均成長率(CAGR)は28%で推移すると予測する。ドイツ自動車メーカーを中心に駐車支援システムの搭載率が高い欧州が市場を牽引し,2020年頃にはドライバーの監視が不要になる自動駐車システムの実用化もカーシェアリング車両で始まるものとみる。
2020年以降,自動駐車システムの搭載は高級車で進み,駐車支援システムの設定車種もミドルクラスだけでなくコンパクトクラスに拡がる。また,カーシェアリング車両での需要を中心に拡大し,2025年の駐車支援および自動駐車システムの世界市場規模は3,852万3,000台に達し,そのうち自動駐車システムは822万3,000台に成長すると予測する。