5月31日に行なわれたレーザー学会第45回定時総会にて,東京大学小林研究室D3の中村卓磨氏がレーザー学会奨励賞を受賞し表彰された(ニュースリリース)。
この奨励賞は,レーザーに関する研究できわめて示唆的かつ独創性,将来性のあるものに対して贈られる賞で,会誌やレーザー会主催の講演会などに限定されず,関連学術雑誌や会議などでの発表を対象とするもの。
受賞対象となった発表は,レーザー学会の第496回研究会で招待講演した「MOM(磁気光学変調器)によるファイバーコムの高速制御」。
今日研究されているレーザーの制御は,1メートルの光共振器を原子の直径の1000万分の1のレベルで操作するほど高精度になっている。この精度は従来の電場駆動による光路長制御器の機械的共振によって制限されていた。
この研究では,変調器の駆動を磁場ベースに置き換え,機械的共振の発生しない全く新しい変調器として「磁気光学変調器」(MOM: Magneto-Optic Modulator)を開発し,実際のレーザー制御に有用である事を示した。
この研究の成果は,光原子時計への応用等,究極のレーザー制御が必須の応用に対して重要な成果であるという。