日立化成は,微細回路形成用感光性フィルム「RY-5100UTシリーズ」にて,「第13回JPCA賞(アワード)」を受賞したと発表した(ニュースリリース)。
「JPCA賞(アワード)」は,電子回路技術および産業の進歩発展に顕著な製品・技術を表彰することを目的として創設されたもので,日本電子回路工業会(JPCA)が主催・運営するJPCA Show 2017等の出展者製品技術セミナーの発表者を対象としている。
スマートフォン等に搭載される半導体パッケージの小型化・薄型化・高機能化に伴い,半導体パッケージ基板の回路の高密度化・微細化が進んでいる。2016年時点で量産されている半導体パッケージ基板の回路の最小導体幅(ライン)/最小導体間隙(スペース)(以下、L/S)は,L/S=8/8μmだったが,2020年には研究・試作レベルでL/S=2/3μmになると予想されている。
半導体パッケージ基板の回路は,感光性フィルムで形成したレジストパターンに沿って金属めっきを行なうことで形成する(セミアディティブ工法)。回路の高密度化・微細化に伴い,より微細なレジストパターンを形成できる感光性フィルムが求められているが,レジストパターンを微細化すると,回路の欠け・断線につながるレジスト倒れや解像不足等が発生することが懸念される。
そこで同社は,従来よりも高密度で微細な回路形成を実現する感光性フィルム「RY-5100UTシリーズ」を開発した。この製品は,独自の原材料配合技術でレジストの親水性を低くし,膨潤を抑制することで,レジスト倒れや解像不足等を防ぎ,より微細なレジストパターンを形成することができる。
この製品を用いて形成したレジストパターンに金属めっきを行なうことで,L/S=2/2μmの高密度で微細な回路の形成が可能だとする。