暗闇でもカラー撮影を可能にする「赤外線カラー暗視技術」を実装したイメージセンサーと,この技術を搭載した暗視カメラ等の開発・設計・製造を行なうナノルクスは,初の資金調達にて,台湾ASUSTeK Computer Inc.(ASUS)と筑波銀行グループの筑波総研を引受先に合計1億3000万円の第三者割当増資を実施した(ニュースリリース)。
「赤外線カラー暗視技術」は,光が全く入らない真っ暗闇でも赤外線のみで鮮明なカラー撮影を可能にするナノルクスの独自技術。産業技術総合研究所が発見した,赤外線を被写体に照射した際に反射される波長が異なる現象から,赤外線にも色の要素があることを発見した。その後,赤外線を被写体に当てた際の反射強度を分析し,可視光の反射強度との相関関係も判明した。
従来の赤外線暗視カメラは,光が入らない場面ではモノクロ撮影しかできなかったが,「赤外線カラー暗視技術」は真っ暗闇でも被写体に当てた赤外線から得られる情報をもとに,可視光との相関関係から,カラー画像を再現する。
また,暗闇での撮影手法はこれまでのモノクロ撮影と同じなため,「赤外線カラー暗視技術」を実装したイメージセンサーを通常のカメラに組み込むだけで,暗闇でのカラー撮影が可能となる。
「赤外線カラー暗視技術」を活用しやすくすることで,夜間の防犯や,介護施設/病院での入所者・患者の見守り,車載カメラなど様々な用途での活用を見込む。
同社は今後ASUSと,「赤外線カラー暗視技術」が搭載された新商品を直ちに共同開発する。また,今回の資金調達を利用して,「赤外線カラー暗視技術」を実装したイメージセンサーの開発と量産体制の構築,および関連技術の開発と関連プロダクトの量産体制の確立を目指すとしている。
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