トクヤマは,同社の保有する深紫外LEDの技術・設備を,スタンレー電気に譲渡する契約を締結したと発表した(ニュースリリース:トクヤマ/スタンレー電気)。
同社は,HVPE法(ハイドライド気相成長法)による単結晶窒化アルミニウム基板開発の応用展開として深紫外LEDの開発を進めてきたが,中期経営計画に基づき研究開発体制を顧客密着型へ転換を進める中で,同社の特有技術の強みが活かせる単結晶窒化アルミニウム基板の材料開発に特化する。
一方,深紫外LEDの事業化は,LED市場で高い競争力を持つスタンレー電気が行なう方がより幅広い展開を期待できるとして,同社の保有する深紫外LED関連の特許,ノウハウおよび開発・生産設備を同社へ譲渡することを決定した。
今後同社は,単結晶窒化アルミニウム基板開発に資源を集中し,スタンレー電気をはじめとした顧客と連携しながら同技術の深耕を図り,早期事業化の実現と材料開発の新たな展開を目指す。
スタンレー電気は,地球規模で進む水不足と水質汚染や大気汚染に対し,今後の殺菌用光源の市場拡大が期待されているとし,同社が長年培ってきた配光技術やパッケージング技術と,トクヤマがの深紫外LED技術を融合させ,殺菌に最適な265nmの発光波長で世界最高レベルの出力で発光する深紫外LEDを提供したい考え。
このLEDを用いれば,13個で100L/minの殺菌(大腸菌 6LOG)が可能となるとして,同社の新たな事業の一つとして深紫外LED事業を構築し,水や空気の殺菌市場においてビジネスチャンスの拡大をはかっていく。