農研機構ら,自動操舵トラクターを開発

農研機構と三菱マヒンドラ農機(株)は、トラクターの直線作業をアシストする装置を共同で開発した(ニュースリリース)。

豆や野菜類など畝立て栽培を行う作物では,播種,畝立て,マルチ敷設などの作業において,行程を直線的かつ前行程と一定間隔を保つことが重要であり,トラクターのオペレータには高度なトラクター運転技術が要求されるが,熟練オペレータは不足する状況にあり、その確保が課題となっている。

農研機構では,自動車の運転支援システム用として実用化されたステレオカメラをトラクター用に改造し,トラクターのステアリングを自動制御する研究を行なった。平成20年度から,より安価な単眼カメラを使った装置の研究に取り組み,ステレオカメラと同等以上の精度で,地面の凹凸を3次元的に検出する独自の画像処理手法を開発し,特許を取得した。

平成24年度からは,三菱マヒンドラ農機と共同で開発を進め,生産者の畑でダイズの播種作業やサツマイモ栽培用の畝立てマルチ作業などに適用する実証試験を行ない,装置の実用化の目処を得た。単眼カメラを使ってトラクターのステアリングを自動制御する装置の実用化は,世界初となる見込みだという。

開発機による作業軌跡の精度は,行程の80%以上で±5cm以内となり,熟練オペレータと同レベルの精度が得られる。直進走行や追従走行などの機能は,操作スイッチのダイヤルで選択でき,手動で操作レバーを動かすことで,自動操舵と手動操舵が切替えられる。また,カメラの画像や動作状態は,ユーザーが所有するスマートフォンで見ることができる。

開発機は,平成29年度下期から販売開始される予定。現在,北海道では高精度GPSを使った自動操舵システムの普及が拡大しているが,本州以南では普及が進まない状況にある。この要因として,本州以南で中心となっている30~50馬力のトラクターの価格に比較して,GPS式の自動操舵システムが割高な状況も一因だという。開発機の販売価格は,従来品の1/2以下となり,30~50馬力のトラクターの本体価格の10%程度となる見込み。

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