内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の一環として,東芝と産業技術総合研究所の研究開発チームは,電圧駆動型の不揮発性磁気メモリ「電圧トルクMRAM」の書き込みエラー率を低減する新しい書き込み方式を開発した(ニュースリリース)。
研究開発チームはこれまで,高速パルス電圧によって磁化反転を制御可能な磁気トンネル接合素子(MTJ素子)を開発し,電圧駆動型の新しい磁気メモリ「電圧トルクMRAM」の実現に取り組んできた。
電圧トルクMRAMでは,従来の電流駆動型磁気メモリ(STT-MRAM)と比較して飛躍的な低駆動電力化が期待されているが,書き込みエラー率の低減が実用化に向けた重要課題となっている。
今回,書き込み時に印加するパルスの前後に書き込みとは逆極性のパルス電圧を印加することにより,熱ゆらぎによる書き込み失敗の発生を抑制して書き込みエラー率を低減する手法,およびそれを実現する新しい書き込み用回路を開発した。
この成果により,プロセッサ用ラストレベルキャッシュの大容量化と,それによるプロセッサの高性能化・低消費電力化が期待されるとしている。