凸版印刷とSCIVAXは11月1日,急速にそのニーズが増加しているナノインプリント事業の拡大を目的として,資本業務提携を行なうことで合意した(ニュースリリース)。
凸版印刷は同技術の開発を進めるSCIVAXへ出資し,2016年11月中にSCIVAXの株式を25%超取得し筆頭株主となる。凸版印刷はナノインプリント事業に本格参入する。
両社は,凸版印刷が半導体用フォトマスクなどで培ったリソグラフィー技術やマスターモールド製造技術と,SCIVAXが持つ光学設計やナノインプリント加工技術を融合し,アプリケーション開発からマスターモールドの製造,最終製品の量産化まで一貫したサービスの提供を共同で開始する。
さらに凸版印刷は,光学デバイスやSCIVAXの独自開発製品の量産化ニーズに対応するため,生産ラインを構築,2017年中に大面積ナノインプリントのサンプル出荷を開始する。
SCIVAXは2014年から2015年にかけて産業革新機構,KISCOなどから出資を受け,ナノインプリント受託加工サービスの事業化に成功した。またSCIVAXが独自に開発した大面積一括成型加工技術については,凸版印刷との提携により,量産化に向けた技術開発を加速させる。
両社はこの提携により,光学設計シミュレーションによる構造提案や独自製品の開発を進めるとともに大面積ナノインプリント量産技術を実用化し,2020年度に約200億円の売上を目指す。