キヤノン,ナノインプリント半導体製造装置を発売

キヤノンは,半導体デバイスの回路パターンの転写を担うナノインプリント半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」を2023年10月13日に発売したと発表した(ニュースリリース)。

これまでの投影露光技術とは異なる方式でパターンを形成するナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を使用した半導体製造装置を市場投入することで,半導体製造装置のラインアップを拡充し,最先端から従来の半導体デバイスまでの幅広いユーザーのニーズに応えるという。

従来の投影露光装置は,ウエハー上に塗布されたレジスト(樹脂)に光を照射し回路を焼き付けるのに対し,新製品はウエハー上のレジストに回路パターンを刻み込んだマスク(型)をハンコのように押し付けて回路パターンを形成する。

光学系という介在物がないため,マスク上の微細な回路パターンを忠実にウエハー上に再現できる。そのため,複雑な2次元,3次元の回路パターンを1回のインプリントで形成することも可能で,CoO(Cost of Ownership)の削減に貢献するとしている。

同社のNIL技術は,既存の最先端ロジック半導体製造レベルの5ナノノードにあたる最小線幅14nmのパターン形成ができる。さらに,マスクを改良することにより,2ナノノードにあたる最小線幅10nmレベルへの対応も期待されるとしている。

その他関連ニュース

  • NIMSら,ガラス基板に周期構造を簡易に転写 2025年04月18日
  • inspec,露光装置事業からの撤退を発表 2025年03月24日
  • 東京科学大ら,UVナノインプリントをシリフォトへ 2025年01月31日
  • 東大ら,半導体露光プロセスのみで平面レンズを作製 2025年01月17日
  • ニコン,解像度1.0μmのデジタル露光装置を開発 2024年10月22日
  • キヤノン,新投影レンズ搭載の半導体露光装置を発売 2024年09月24日
  • OIST,ミラー数を減らしたEUVリソグラフィーを提案 2024年07月30日
  • 宇大ら,EUV光源を効率化するレーザー照射法を開発
    宇大ら,EUV光源を効率化するレーザー照射法を開発 2024年07月30日