長崎大,新規発光性有機–無機超分子複合体を合成

長崎大学の研究グループは,自然界に見られる「自己集合」と「分子認識」という現象を活用することで,新しいタイプの発光性有機–無機超分子複合体を合成することに成功した(ニュースリリース)。

このアプローチは,これまでにない発光性材料を創出する有力な手法になるという。

自然界で酵素は「自己集合」によって酵素キャビティを形成し,キャビティ内に様々な化合物を「分子認識」によって取り込むことで,人工系では達成できないような複雑で高選択的な機能発現をしている。自然界を理解・模倣・凌駕するため,人工系でも様々な自己集合性分子が合成され,分子認識を介した機能発現が試みられてきた。

しかし,金属錯体を分子認識によって自己集合性分子に包接することは非常に困難な課題であり,包接できたとしても金属錯体の発光特性は低下してしまうことが知られていた。

今回研究グループはこの問題を解決し,簡便な手法で金属錯体を包接できることを明らかにするとともに,包接によって金属錯体の機能(発光特性)を大きく向上させること(高エネルギー化・高効率化・長寿命化)に成功した。

関連記事「京大,生物を模倣して炭素ナノリボンを合成」「京大,光吸収制御が可能な金属カルコハライドを低温合成」「NICTら,光子と人工原子から成る安定な分子状態を発見

キーワード:

関連記事

  • 公大、金属錯体が水中で自然に集まって小さな粒子を形成し発光することを解明

    大阪公立大学の研究グループは、希土類イオンと有機分子からなる金属錯体が水中で自然に集まって小さな粒子を形成し発光すること、また、その発光強度が溶液の酸性・アルカリ性(pH)によって変化することを見出した(ニュースリリース…

    2026.01.27
  • 北大,水素とナノファイバーを合成する光触媒を開発

    北海道大学の研究グループは,金属錯体色素を複層化した光触媒ナノ粒子とアルコール酸化触媒分子を連動させることで,持続利用可能な資源であるセルロースからクリーンエネルギー源となる水素と高機能材料となるセルロースナノファイバー…

    2025.08.28
  • 東工大,分子の自発配向を利用した分極薄膜を開発

    東京農工大学の研究グループは,真空蒸着薄膜内で自発的に配向分極を示す有機低分子材料を開発した(ニュースリリース)。 有機発光ダイオード(有機EL)等に用いられる一部の極性低分子は真空蒸着薄膜中で自発的に配向分極(SOP)…

    2024.10.31
  • 分子研ら,軟X線吸収分光計測で電子状態を解析

    分子科学研究所,理化学研究所,名古屋大学は,水溶液中のポルフィリン金属錯体の軟X線吸収分光計測から,その金属―配位子間の非局在化を中心金属と配位子を分離した電子状態解析により明らかにした(ニュースリリース)。 これまで,…

    2024.09.17
  • 東工大,ペロブスカイト構造を安定化する化合物合成

    東京工業大学の研究グループは,ペロブスカイト太陽電池の材料として有望視されるFAPbI3(FA = CH(NH2)2)にチオシアン酸イオンを導入した,新しい有機−無機ハイブリッド化合物の合成とその結晶構造解析に成功した(…

    2023.09.01

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア