第10回レーザー学会産業賞が決定

第10回レーザー学会産業賞が決定した。この賞はレーザーに関する製品・技術の開発,実用化,普及などにおいて国内のレーザー関連産業の発展に貢献する優秀なものに対して表彰するもので,今回優秀賞にはオキサイドとパイフォトニクスが,奨励賞には島津製作所と東芝/東芝エネルギーシステムズが,貢献賞には光産業創成大学院大学とスペクトラ・フィジックスがそれぞれ受賞した。授賞式は,パシフィコ横浜で開催するOPIE’18の会期2日目となる2018年4月26日に午前11時より,展示会場内特設ステージで行なわれる。なお,受賞対象と理由については下記の通り。 【優秀賞】 オキサイド:深紫外固体連続はレーザー『Frequadシリーズ』 半導体検査用深紫外光源として,半導体産業の発展にとって重要なキーコンポーネントとなっており,着実に販売実績を高めている。BBO結晶の高品質化や外部共振器のサーボロックなど,非常に難易度の高い要素技術を取り入れながらも信頼性を確保して製品化されており,今後更なるシェア拡大が期待できるものとして評価された。 パイフォトニクス:光パターン形成LED照明装置・次世代型ホロライト・シリーズ 高輝度LED光源と大型光学素子を組み合わせたシンプルな構造でありながら多種の製品化に成功しており,LEDのさらなる応用を提案する技術を持ち,将来性も高いという点が評価された。今後の発展として,レーザー照明といった類似技術の開発や事業化も期待されている。 【奨励賞】 島津製作所:燃料電子酸素濃度可視化装置『FC-O2 モニタ FCM-405-Oxy 形, FC-3D モニタ FC-3D-Oxy』 燃料電池はリチウムイオン電池に続く将来重要なエネルギー源であり,燃料電池の監視用センサーとして重要な役割を担う製品として期待されている。30コマ/秒の高速,2次元で画像化して観測できる技術が評価された。 東芝/東芝エネルギーシステムズ:ポータブルレーザーピーニングシステムの開発と産業応用 高出力レーザーが必要となるレーザーピーニングにおいて,リモートで操作できるシステムを開発し,発振器と駆動装置を一体化したことで,総重量を従来の10分の1に小型軽量化させたことが評価された。原子力プラント保全技術としての貢献が大きい。 【貢献賞】 光産業創成大学院大学:レーザーによるものづくり中核人材育成講座 レーザー産業界で活躍している多くの優秀な人材を育成し,レーザー産業の発展に多大な貢献をしたことが評価。ものづくり中核人材に関する育成講座を実施しており,産業界への人材輩出,ベンチャー育成,光技術の波及効果が大きく,今後の更なる教育活動が期待されている。 スペクトラ・フィジックス:最新レーザー装置の市場投入と国内サービス体制の充実による科学技術および産業への貢献 海外メーカーの日本法人として,長年の販売実績を持つ。海外で開発された新技術の国内での普及に大きく貢献し,日本におけるレーザーの産業,医療応用の拡大など最先端光科学の発展に寄与してきた点が評価された。

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