非球面オプティクスでフレキシブルかつ頑強なビーム成形

■AiryShapeのキャラクタリゼーション
図8 AspheriColl,a|BeamExpanderおよび集光レンズで構成されたキャラクタライゼーションの実験的セットアップ
図8 AspheriColl,a|BeamExpanderおよび集光レンズで構成されたキャラクタライゼーションの実験的セットアップ

集光ビーム成形システムもまた,実験室で検証された。テストされたセットアップの1つを図8に示す。オプティスクの配置は,図5(b)に示されたものに対応する。このシステムの全長は約150 mm。ここに提示されている両方のシステムは,簡単なねじ止めをするだけで,位置合わせが最適化するような設計になっている。ビームプロファイルカメラによって,画像面をz軸方向にシフトさせることで,このシステム内で異なるビームプロファイルも検出された。

図9 特性ビームプロファイル(λ=635 nm)のAiryShape,2D,および断面図によるビームプロファイル測定の概要
図9 特性ビームプロファイル(λ=635 nm)のAiryShape,2D,および断面図によるビームプロファイル測定の概要

それぞれのビームプロファイルは,図9の通り2D表示および断面表示の両方でまとめられている。さらに,ビームウエストおよびビームプロファイル直径(FWHM,ビームウエスト@1/e2)それぞれについての位置も,おおまかな方向を示している。

チャートに示されているように,この機能は集光ビーム成形システムに対してうまく実証されており,5つの特長的なビームプロファイルがクリアに可視化された。また,各プロファイル間の距離とプロファイルの幅はシミュレーションと一致している(図4)。ビームプロファイルは635 nmの波長で記録された。

要約

本稿では2つの小型屈折型ビーム形成ソリューションを提示した。最初のシステムは,コリメートされたガウシアンビームを均一な強度分布を持つコリメートビームに変換する無限焦点ビーム成形システムで,2番目はコリメートされたガウシアンビームから集光トップハットプロファイルを生成するビーム成形システムである。

入出力ビームの直径はスケーラブルであるため,システムを適用する場合に非常にフレキシブルなものとなっている。これらのシステムは,コリメートされた空間ビームだけでなく,ファイバー出力レーザーでも使用できる。高い精度でマウントされたコンポーネント同士はネジ溝で簡単に接続でき,追加の調節は不要。これにより,取扱いと既存セットアップへの組み込みを簡素化できる。

参考文献
1)Dickey, F. M., Laser Beam Shaping-Theory and Techniques, 2nd Edition, Boca Raton: CRC Press, 2014.
2)Frieden, B. R., “Lossless Conversion of a Plane Laser Wave to a Plane Wave of Uniform Irradiance,” Applied Optics 4 (11), p. 1400, 1965.
3)J. Kreuzer, “Coherent light optical system yielding an output beam of desired intensity distribution at a desired equiphase surface”. US Patent US3476463, 4 November 1969.
4)Rhodes, P. W.; Shealy, D. L., “Refractive Optical Systems for Irradiance Redistribution of Collimated Radiation: their Design and Analysis,” Applied Optics 19 (20), p. 3545, 1980.
5)Goodman, J. W., Introduction to Fourier Optics, 3rd Edition, Englewood: Roberts & Comapany, 2005.

6)J. J. Cordingley, “Method for Serving Integrated-Circuit Connection Paths by a Phase-Plate-Adjusted Laser Beam”. US Patent 5300756, 5 April 1994.


著者:A. Möhl, S. Wickenhagen, U. Fuchs(Asphericon社)

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(月刊OPTRONICS 2018年4月号掲載)