どのようにして観測されたかや,得られたパターンの解釈について,あちこちに解説が出ています(例えば,日経サイエンス,2019.07)。地球から5500万光年の距離にある楕円銀河,M87(乙女座A),の中心にBHがあり,質量は太陽の65億倍,シュヴァルツシルト半径(脱出不能となる境界の半径)は190億km(海王星公転軌道の4倍以上)とのことです。
BH周辺の光波(フォトン)が引力圏を脱出する際にBHの2.5倍程度の大きさのリングを形成するとの事で,今回観測されたドーナツの直径は1000億km程もあるという事になります。観測は波長1.3mm帯で行われたようですので,オレンジ色の濃さは観測されたミリ波の強度に対応しているもののようです。本物の可視光像もいつか見てみたいところです。
私達の銀河系(天の河銀河)の中心にも,多分BHが存在するとのことです。中心付近にある電波源,射手座A*,その物,あるいはそのすぐ側,にBHが隠れているようで,その周囲を200個以上の恒星やガス雲が公転していて,その様子が観測されています。
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