子供の頃,友達のお兄さんがプリズムというものを持ってきて,僕たちに見せてくれた。僕には,それはガラスの塊をえいやと叩きつけて割れ落ちた,ただのかけらのように見えた。
しかし,そのかけらの中を覗いてみると,見えるはずのない予想外の角度の景色が少し虹色に滲んで広がっていた。その景色がなんであったか,今では覚えてはいないが,ガラスのかけらの中に異次元の世界が広がっているように感じたその時の不思議な感覚は忘れない。
それ以来,プリズムは僕にとって気になる存在になった。でも,虫眼鏡のように手軽に手に入るものでもない。その時の驚きと,少し遠い存在ということで,僕の中でプリズムは神秘を帯びたものとなっていた。
プリズムといえば,ニュートンの太陽光の分光実験を思い浮かべる人は多いだろう。
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