シャンパンと庶民的なスパークリングワインを泡の音で判別する。そんな酔狂な実験の報告がPhysics Todayという真面目な雑誌に掲載されていた。スパークリングワインの中でも,フランスのシャンパーニュ地方で厳しい基準を満たすように作られたものだけがシャンパンの名を冠することができるということだから,シャンパン=高級スパークリングワインと言って良いだろう。論文の実験で使われたシャンパンはモエ・エ・シャンドン・アンペリアル(ネットで4000円くらい)で,一方,庶民的なスパークリングワインはカリフォルニア産の1000円くらいのものである。
報告によると,グラスに注いだそれぞれの液体の中に差し込んだマイクで泡の音をひろって解析をした結果,シャンパンの方で検出される音は,より高い周波数になっていて,それは小さな泡が多く発生していることを示しているという。高級なシャンパンほど小さな泡が豊富に発生すると言われていることと見事に照合するので,この方法を用いれば,音によって「利き酒」が可能になるという主張だ。シャンパンとしてもっと高級なドンペリニョンならどうなるのだろう。さすがに予算が出なかったのか,それとも,本当は実験をやっているけれど実はモエ以上であればドンペリでも大差ないということなのか,その真相は僕にはわからない。
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