揺らめく光─デルフトの風景─

ヨハネス・フェルメールという画家が,今やブームというくらいの大人気である。ブームの原動力となる作品といえば「真珠の首飾りの少女」だろう。この絵については,「輪郭線がなく反射光のみで表現された真珠」とか,「みずみずしい唇」とか,「ラピスラズリという宝石を粉にして作ったウルトラマリンという超高級絵の具を惜しげもなく使って描いたターバンの青」などなど,その魅力について多くの詳細な解説がなされている。

それはそれで大変興味深い事ではあるけれども,この絵が多くの人たちを魅了した最大の理由は,描かれている少女が実に魅力的,単刀直入に言えば美少女であるということだろう。この絵は「オランダのモナリザ」などとも呼ばれている。しかし,少しオカルト系のモナリザに対して,真珠の首飾りの少女は明らかにアイドル系であり,簡単に比較はできないだろうと僕は思っている。


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