「サーモカメラコンソーシアム」が設立 ─ 信頼される装置であり続けるために

サーモカメラコンソーシアム幹事企業各社の製品 (左)日本コンピュータービジョン「SenseThunder」シリーズ,(中央)アイリスオーヤマ「顔認証型AIサーマルカメラ」,(右)ダイワ通信「FACE FOUR+」
サーモカメラコンソーシアム幹事企業各社の製品 (左)日本コンピュータービジョン「SenseThunder」シリーズ,(中央)アイリスオーヤマ「顔認証型AIサーマルカメラ」,(右)ダイワ通信「FACE FOUR+」
─現在の市場をどう捉えていますか?

我々もメーカーとして調査会社に依頼することはありますが,実はサーモカメラの市場を第三者的にきちっと比較している資料はまだありません。サーモグラフィ全体の市場なら日本で280億円くらいといった数字はありますが,例えば額に照射するような一点型のハンディのものや,工業目的で使われているものも含まれています。我々が対象としているカメラ画像を使って体温を測定するサーモカメラの市場はまだ立ち上がって1年くらいなので,なかなかその規模を公正な評価軸で見ることができていないのが現状です。

 JCVという立場でいうと,我々はもともと画像解析の会社で,ビルの顔パス入場ができるシステムなどをメインに扱ってきました。サーモカメラはコロナ禍になってから急遽始めた事業ですが,親会社がソフトバンクで多くのお客様にアプローチできるという環境もあって引き合いを多くいただいています。今回の幹事会社であるアイリスオーヤマ様,ダイワ通信様と合わせるとシェアのかなりを占めることになるということもあって,この3社で声がけして進めています。

─これからの活動予定があれば教えてください

 先ほど申しましたとおり,まずは賛同会社を募っていくとともに,有識者への声がけと,3つのガイドラインについてさらに精査を進めていくというのが,直近一番にやらなくてはいけないことだと思っています。その後は環境づくり,基本的にはガイドラインや測定の環境の提供と,それを広く世の中に啓蒙していく,このふたつの活動が軸になってくると考えています。

後者の啓蒙に関しては,Webサイトの拡充やイベントへの出展,セミナーでの講演といった活動をこれから平行してやっていくことになると思います。

(月刊OPTRONICS 2021年7月号)

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