就職後は一貫して光を用いた食肉の新しい評価法の開発に従事。
2001年 東京理科大学基礎工学部生物工学科卒業。マウス胎児の脳の遺伝子発現を調べる。
2001〜2002年 フランス国立ソルボンヌ大学など,フランスを放浪,農業に魅せられる。
2003〜2005年 東京大学大学院農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻 修士課程修了。日本の土壌における小麦の肥培管理を勉強。
2005〜現在 農研機構の研究員に採用される。食肉の品質評価法の開発に従事。
2007〜2011年 社会人学生として東京大学理学系研究科化学専攻濵口研究室において脂肪の構造と結晶状態のラマン分光研究を実施,学位取得。
2015〜2017年 EU Marie-Curieプログラム,AgreenSkills流動研究員としてフランス国立農学研究所(INRA)に2年間在外,食肉タンパク質の熱変性とpHを見える化する。
東京オリンピックを2年後に控える現在,イスラム教徒への食事の対応が課題の一つとなっている。豚食が禁忌のイスラム教徒が加工食品を口にするには,原料から製造過程において豚肉を一切含まないことを証明する「ハラル認証」と呼ばれるお墨付きが重要になる。
しかし,こうした製品はどこでも簡単に手に入るものではない。もし,豚肉の含有を簡単に判定でき,しかもスマートフォンなどに実装できる技術があればどうだろうか。16億を数えるイスラム教徒にとってはもちろん,食品を提供する側にとっても有用に違いない。イスラム教は今後,世界最大の宗教になるとされているだけに,産業化による市場創出も期待できる。
今回,豚肉に含まれる脂肪を光学的に検出する技術の開発に成功した,農業・食品産業技術総合研究機構の本山三知代氏に話を伺った。同氏は食肉の消化のしやすさの目安となる,加熱具合やpHの値を4つのスペクトルだけで検出できる技術も開発しており,今回はこちらも解説して頂いた。今後が期待される,食肉・食品における光技術応用の最先端をご覧いただきたい。
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