12. レンズのパラメータ
12.5 焦点距離
これまでに,焦点距離については述べてきたが,この項では,焦点距離とレンズの他のパラメータとの関係について考える。
12.5.1 結像式
9.3節において,レンズの公式について説明した。式(3.29)を改めて,記載する。
この式では,レンズの主点から物体までの距離をa,主点から像までの距離をbとしたが,これらの値は符号を含んでいない絶対値である。4.2節で述べたように,幾何光学の計算をする際には,符号を含める必要があるので,ここで改めて,図3.61に示すように,符号を含めて考える。
ここでは,距離を表すのに,矢印も距離の始点と終点がわかるような記述としてある。aはマイナスの値になるので,sを正の値として-sとおく,bは正の値なので,そのままs′と置き換えることにする。今後,パラメータにダッシュを付けたものは像側,付けていないものは物体側に関係するものとする。そうすると,レンズの公式は,次のようになる。
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