KDDIは米Broadcomと、AIの社会実装に向けてネットワークインフラ技術に関する提携を締結し、両社は光通信部品を半導体チップの近くに配置する「CPO(Co-Packaged Optics)」技術の共同検証を開始した(ニュースリリース)。本提携に基づき、GPU間ネットワークのデータ処理に使う電気信号と、高速・大容量のデータ伝送に適した光信号を組み合わせる「光電融合」技術の実現に取り組み、AIデータセンターの省電力化を目指す。
AIの普及に伴い、データセンター内部の高速・低消費電力な通信に加え、家庭などの利用者に大容量の情報を低遅延で届ける通信基盤が求められている。Broadcomは半導体・ネットワーク技術を、KDDIは通信網やデータセンターの構築・運用の知見を持つ。KDDIはこれらの基盤と次世代通信技術を組み合わせ、全国規模の通信網とAI計算基盤を整える「デジタルベルト構想」を進めている。
今回両社が検証するCPOは、データを処理するスイッチチップの近くに、電気信号と光信号を変換する「光エンジン」を配置する技術だ。「光電融合」の一つで、電気信号の伝送距離を短縮し、通信に必要な電力を抑える仕組みだ。
共同検証では、KDDIのAIデータセンターに検証環境を構築し、Broadcomのスイッチング用チップ「Tomahawk 6」と、光エンジンモジュール「Davisson」を搭載したCPOスイッチを導入する。Tomahawk 6は、単一チップで毎秒102.4Tbpsのスイッチング容量を持つ。
評価では、CPOスイッチによる消費電力の削減効果に加え、AIの分散学習・推論を想定した通信性能を調べる。具体的には、データ処理におけるパケットロス、輻輳制御(通信の混雑を抑える技術)、実効スループット(実際のデータ転送速度)などを評価する。

図1左 従来の光トランシーバー搭載スイッチ図 右 CPO技術搭載スイッチ
今後は検証結果を基に、KDDIのAIデータセンターで光電融合を生かすネットワーク構成の確立を進める方針だ。家庭まで光ファイバーを引くFTTHの次世代化も検討し、データセンターから家庭までの通信環境を高度化することで、AIサービスを快適に利用できる基盤づくりを目指す。





